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平成27年度第2回ADCA農業実践研修が開催される(野菜の播種育苗)

私どもNPO法人イフパットはADCA(一般社団法人 農業開発コンサルタンツ協会)と協力して、従来より若手コンサルタンツ育成のための農業実践研修を開催してきました。2年間にわたり、野菜の播種育苗、栽培管理などの圃場での作業を中心とした研修を4回開催しています。平成27年度はJICA、ADCAそしてNPOイフパットの3者による研修が計画され、第1回として「稲と野菜の病害虫診断」が7月14日、15日の2日間実施されました。今回、第2回として野菜の播種育苗研修がJICA筑波の圃場施設を活用して9月25日開催されました。本会員活動報告で、講師を担当した匠原監一郎技術顧問に研修の概要を報告していただきます。

 

 

実践的な野菜育苗を学ぶ若きコンサルタント(農業技術実践研修)  

NPO法人国際農民参加型技術ネットワーク技術顧問  

利光 浩三

 

 この研修は民間コンサルタント会社の若手技術者に現場の技術を体験して貰うとことを目的にして一昨年より始まっている。ADCAの要望で野菜の育苗についての技術的な話と育苗についての実習を私が担当することになった。  

 育苗研修はパワーポイントを用いての育苗の概念(苗半作と言われる育苗の重要性)、床土作りから始まり播種・移植に至る育苗技術の方法の説明(座学)と作業場での床土作り、播種、移植などの作業(実習)とした。育苗では移植技術が重要な部分を占めるため、移植実習用の材料(苗)を準備する必要がある。しかし、実習日に合わせて移植に適した本葉展開初期の苗を揃えるのは大変で、実際は試行錯誤を重ね準備しなければならなかった。  

 昨年、4月に行った育苗研修には若手技術者15名が参加したが、パワーポイントを用いた説明を筑波JICAの講義室で行い、実習は永井農場で行った。みぞれの降る寒い中、参加者は熱心に床土作り、トマト、なす、ピーマン、スイカ、キュウリ、ニガウリの播種と移植(ニガウリは除く)に取り組んだ。  

  第2回目の今回の野菜育苗研修は9月25日にJICA筑波で実施した。昨年と同じように午前中に野菜育苗の理論と実際(接ぎ木の技術を加えた)をパワーポイントで説明し、午前後半と午後にかけて床土作り、播種、移植の実習を行った。  

  今年の実習ではトマト、キュウリ、キャベツを材料に用いた。この時期の育苗の作型は抑制栽培に当たり、思ったより準備作業が大変であった。早秋のこれらの野菜の育苗では、播種箱での苗の生育が早く、何度か播種を繰り返してみたが、実習日に合わせた移植適期の苗作りができなかった。残念ながら、実習には徒長苗(トマト、キュウリ)を使うことになった。  

  どうも私は雨男のようで、今年も雨であったが、今年はJICA筑波の堆肥舎と温室を使うことが出来たので雨に濡れずに実習することができた。参加者は9人であったが、慣れない手つきながら、真剣かつ真面目に床土作り、播種箱、ポットへの土入れ、トマト、キュウリ、キャベツ種子の播種と用意された苗のポット移植を行っていた。育苗は野菜生産の一部の過程であるが、この研修を通して、日常食べている野菜がどのようにして作られているのか、細心の注意と多くの技術が積み重ねられて野菜が市場に供給されていることを理解してもらえればありがたい。  

移植苗.jpg   今回はJICA筑波の理解を得て、講義室ばかりでなく堆肥舎、温室、床土の材料、各種用具を利用して実施した、実習準備が大変楽であった。やはり、このような細かな技術が集積した実践研修や機器材を必要とする研修にはJICA筑波のような施設が必要であろう。JICA筑波の協力に感謝したい。

 

          なお、研修を実施した9月25日から10日間経過したときの種子に発芽率と移植後の苗生育観察記録を表にまとめました。添付のPDFを是非ご覧ください。

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