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現地報告(1):ベトナムのコーヒー栽培(西村美彦)

ベトナムのコーヒーはブラジルを凌ぐ世界でも有数の生産国になっています。この生産地は主に中部高原地域です。しかし、品種はロブスター種でローカルコーヒーとして飲むことやインスタントコーヒーの原料として輸出されています。しかし、現在ベトナム北西部(タイバック)でコーヒーの栽培が新たに展開されています。

東北部ソンラ省ではアラビカ種(カティモール)が導入されており面積は5000ha近くにもなっており、さらに増加傾向にあり重要な作物となっています。ソンラコーヒーは果肉部分が薄く、種子部分が大きいのが特長です。大粒豆の比率が他の豆に比べて高く他のベトナム産アラビカ種よりも、酸味・ボディの点で優れた一級品で、生産量の少ない貴重な豆となっています。

現在ベトナムの山岳地域は森林破壊が進み、丘陵地の頂上まで作物栽培が延びています。主な作物は伝統的陸稲とトウモロコシ(中国がバイオ燃料原料として買い上げ)で、農民にとって森林は利益にならないが、作物を作ることで直接、利益を得ることができるために、さらに山岳地域の農地開発が進むものと考えらます。この背景には山岳民族の貧困という経済的な問題があります。そこで森林保護と作物生産を両立させるためにはアグロフォーレストリーが重要の役割を果たすものと考えます。また、畜産との組合せによる農家の現金収入の増大を図ることで、森林への負荷を軽減させることも重要となります。

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