会員活動報告
ホーム > 会員活動報告 > 現地報告(3):ベトナム北西部山岳地で竹の実 西村美彦(タイバック大学)

現地報告(3):ベトナム北西部山岳地で竹の実 西村美彦(タイバック大学)

竹はアジアのどこにでもある一般的な植物(草)である。したがって、この用途は食料、細工の材料、炭・燃料、観賞用など多岐にわたり、地域によっても特色がある。ベトナムの竹には194種(species)があると言われている。現在7月の下旬であり、太いタケノコが市場に真っ盛りに出回っている。タケノコは4-5月頃から早生の品種の出荷が始まり、雨期の間中、多種多様のタケノコが市場に出る。そこで今回は珍しい竹の花と実を紹介しよう。 日本では竹の花が咲くとこの竹は枯れてしまうと言われている。したがって実は見ることが出来ないことになる。ベトナム北西部山岳地域のコピア自然保護地の森の中で竹の実を見つけた。小さいボール状の堅い実である。この竹は学名でBambusoideae Melocalamus sp.と言われている。ベトナム森林大学(VFU)のDr. Hoang Van Samによると実のなる竹はベトナムには6種あると言われている。これらは元々ベトナムにはなく、雲南、中部高原あたりから来たという。この写真の竹は新品種の可能性があるかもしれないという。
竹の実1.jpg 竹の実2.jpg                                                    写真1.2 竹の実:Bambusoideae Melocalamus sp.(コピア自然保護地区にて)                                  
                                                                                                                                                                                          いまひとつおもしろい竹を紹介しよう。ベトナムでは「日本竹(トゥックニヤット:Truc Nhat)」と呼ばれている竹である。しかしこれは真のではなく、竹の亜種のようである。学名はDracaena Excels Dracaenaceae である。観賞用にホテルの玄関にあったので写真を撮ってみた。原産地は日本と関係なくアフリカであるそうだ。なぜ、ジャパニーズ・バンブーと呼ばれているのかは分からない。白い花が咲き、赤い実をつける。盆栽風の観賞用の竹である。
『ウィキペディア』によるとタケ類(タケ連)はイネ科タケ亜科に属し、日本では3種に分けられる。それらはタケ(竹)、ササ(笹)、バンブーである。また、熱帯性で木質にならないOlyreae連と温帯性のArundinarieae連がある。タケとササの違いは竹皮が生育後落下するのがタケで、依然着生しているのがササである。また、バンブーは地下茎でなく分けつによって株立ち状になるものとして分類している。(2013.7.23)    
                                                               ジャパニーズバンブー1.png ジャパニーズバンブー2.jpg ジャパニーズバンブー3.jpg                                                                                                 写真3.4.5 ベトナムでジャパニーズ・バンブー(Dracaena excels Dracaenaceae)と呼ばれている竹の花と実
このページの先頭へ戻る