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現地報告(4):ベトナム北西部水田の耕耘作業 西村美彦(タイバック大学)

ベトナムは南北に長く北は亜熱帯(温帯)、南は熱帯に属し水稲栽培も地域によって異なる多様性を示している。 ベトナム北西部に位置するソンラ省周辺は亜熱帯、山岳地域に属している。水稲栽培は二期作が行われており、3月から7月と8月から11月までの2回水稲が栽培される。



この地域の水田は小区画になっているため、耕耘は人力で行われたり、水牛、牛等の家畜牽引による耕耘器(犂)で行ったりしている。しかし最近はハンドトラクターが普及し始まった。まだ農家1台という数ではないが、1台のハンドトラクターで数筆の水田を耕耘する。
  作業は最初に反転プラウをかけることもあるが、通常は水田に水を張ってロータリーハローで耕耘するが、ツースハローも使われる。そして最後に整地を行う。作業を行うときはハンドトラクターには籠車輪をはかせている。
ソンラにおける農機販売店で事情聴取したところ、ハンドトラクターの販売では中国製がほとんどである。しかしながらこの理由として値段が安いということで通常の30%は安いとのことである。そのほかに日本のエンジンを使い他の部品はベトナム製で、アッセンブルをベトナムで行っている会社のハンドトラクターがある。この会社はVIKYNOでハノイ市の北東部の近くに本社がある。値段は日本円で約25万円(約6-7馬力、650cc)で、エンジンはクボタのエンジンで台車等他の部分は独自にベトナムで生産している(クボタとのJVのようである)。しかしながら当地では純粋な日本製は見られない。また、韓国製も見られなかった。
アタッチメントとして犂プラウはハンドトラクターではあまり行なわれていない。ほとんどがロータリープラウである。もし犂プラウを行う場合は4輪トラクターで行うことになるが、当地では水田面積が小規模なこと、山地であることから普及に至っていない。したがって、プラウ(耕起)は牛、水牛による畜力プラウである。もっと小さな田んぼでは鍬による手起こしが一般的に行われている。
今後、現地農業における機械化は進むと考えられるが、人力を使うか、畜力を使うか、機械を使うかは農家、農村の経済状況によるものと判断される。


ツースハローでの耕耘.jpg

ベトナム製.jpg

中国製ハンドトラクター.jpg

中国製小型ハンドトラクター.jpg

ハンドトラクターによる耕耘.jpg

畜力耕耘作業.jpg

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