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チェンマイ大学での貢献 (12)

伊藤信孝

チェンマイ大学客員教授・工学部

 

 チェンマイ大学が大学レベルで参加する行事の中に、4月の水かけ祭りパレード、また大学レベルではないものの工学部として参加する行事にロイクラトン祭りがあります。これは陰暦12月の満月の夜に、農民の収穫に恩恵深い水の精霊に感謝を捧げ、また罪や汚れを水に流し、魂を浄める祭りです。人々は、バナナの葉や紙で作ったクラトン(灯籠)を、ロウソクや線香や花で美しく飾り、満月を映す水面に流します。川はまるで光の天の川となり、その幻想的な美しい光景に人々は酔いしれます(タイ国政府観光庁より)。著者は特別なことがない限り、毎年欠かさずこれらの行事に参加している。ここでは2015年の参加について記す。

   学部長以下学部長補佐や要職にある工学部教職員が総出でパレードに加わり、4kmほどの道程を揃いの衣装を身につけてゆっくりと歩く。単なるパレードではなく、お釈迦様の伝説を物語にしたいくつかの関連模擬像を引きながら歩き、制作した模擬像の表現力と華麗さ、演出効果やパレードの優雅さなどが審査の基準として評価されます。参加大学としてのライバルはチェンマイ大学から20kmほど離れた所に位置するマエジョ大学で、農学を基盤に設立された歴史ある大学です。これまで幾度も最優秀賞(首位)に輝いています。沿道には観光客を含む多くの人々がぎっしりと並び、写真撮影や飲み物、簡単な食べ物を時には差し入れてくれます。この時の筆者の役割はパレードの他に、お釈迦様にまつわる物語を日本語で説明することでした。沿道の人々にパレードしながら引いている模擬像の列が意味するところをナレーションするものです。英語、中国語、日本語での説明が順に録音テープから流れ、自らの声に微妙な反応を覚えた次第です。しかし町の中に拡声器を通して響く自分の声が時には組織の一員としての参加意識を確かめる役割を果たしたことも嬉しい限りです。残念ながらこの日の審査結果は3位で、ライバルのマエジョ大学が首位を勝ち取りました。

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 図1. パレード参加の筆者          図2 華麗な衣装を来て行進する女性職員達

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