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JICA「アフリカ地域生活改善アプローチによる農村開発」研修コース

今年で3回目となる、JICA筑波国際センターの「アフリカ地域生活改善アプローチによる農村コミュニティ開発」研修コースが7月7日~8月23日の日程で実施されました。当NPO法人イフパットは本研修コースの受託機関としてこの3か年運営に携わっています。今年は、アフリカ12カ国から農業普及、栄養、公衆衛生、ジェンダー、地域開発などを専門とする多様性に富んだ15名の研修員が来日しました。

 

湿気の多い日本の夏に苦労しながらも、7週間の研修期間中研修員はJICA筑波国際センターでの講義に加え、広島県、山口県、長野県の現場に足を運び、日本の生活改善の経験を学ぶとともに住民が主体となる農村開発について積極的に議論を交わしました。特にインパクトが大きかったのは、戦後の農村で、農家に足繁く通い日々の生活向上を支援した元生活改良普及員の話です。本研修は単に生活改善の歴史的背景や理論を教えるだけでなく、当時実際に生活改善に関わられた方々の生の声から、普及員としての姿勢等も学び取れるよう構成されています。また、研修員が一番驚くのはアフリカでは農民組織というと援助の受け皿として組織化されることが多いのに対し、日本では問題解決のための経験や技術、知識を共有するためにグループができることです。長い例だと今日まで40年以上にわたり活動が続いていることです。

本研修を通じ、研修員は、従来の農村開発プロジェクトでは事前に目標や活動内容が援助機関側で決められており、また、農村への支援というと肥料や種子の配布など、物を与えるだけに留まっていたことに気づき始めます。研修員は農家の生活改善が、単に農業生産向上や収入向上ではなく、農民や農村女性が主体となって農村生活を豊かにするために意識と行動を変革していくプロセスであることを学び、日本の経験に基づいた新しい援助の考え方そして実践方法を自ら創り上げフリカに持ち帰っています。この3年間研修で、計38名が生活改善アプローチの実践者としてアフリカ各地の現場で活躍しています。今までの集大成として、研修後に行われる2回のフォローアップテレビ会議に加え、研修成果が実際にアフリカの各現場でどのように活かされているのかまとめることが、今後必要な取り組みとなっています。

 

 

 

                                                                                                                                                                                                       NPO法人イフパット研究員 小林沙羅

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